ボディメイクのポイントは「速筋」を鍛えることにあり?

スタイルをよくするといことは、
簡単にいうと「筋肉をつけて体脂肪を減らすということ」。
これがボディメイクの基本的な考え方。
たとえば、肩や背中の筋肉を大きくし、お腹周りの体脂肪を減らせば、逆三角形のシルエットが完成します。
ここで重要なのが「速筋」を鍛えるということなのです。
速筋と遅筋の違いとは?
筋肉は瞬発力に優れる「速筋」と、持久力に優れる「遅筋」の2つに大別されます。
速筋は、筋トレやダッシュなどのいわゆる無酸素運動で鍛えられ、大きくできる。
しかし、ジョギングなどの有酸素運動はで鍛えられる遅筋は、脂肪は減少できるが、いくら鍛えても筋肉そのものはあまり大きくならない。
・大きな力を出すには向いていない
・筋肉の収縮速度が遅い
・持久力に優れ疲労しにくい
・筋肥大しにくい
【速筋の特徴】
・瞬発的な大きな力を出せる
・筋肉の収縮速度が速い
・疲労しやすい
・筋肥大しやすい
短距離走と長期距離走の選手の体つきを比較すると解りやすいと思います。
どちらも体脂肪は低いが、速筋の発達している短距離走の選手は、大きな筋肉のついた逆三角形になり、遅筋の発達している長距離走の選手はかなり細い印象になるのです。
筋肉が小さくなれば太りやすく、筋肉を大きくすれば、安静時にもエネルギーを大量に消費し、体脂肪を蓄えにくくなるのです。
このことからも、
スタイルを大幅に改善するには速筋のトレーニングが不可欠!
ということがわかるのです。
速筋はあまり使われない?
力の入れ始めでは、まず遅筋が運動に使われます。
運動の強度が上がって、遅筋だけではまかないきれなくなってから速筋が使われ始めるのです。
運動に使われるのに必要な筋肉の割合となる運動単位動員率が50%を超えるくらいにならない限り速筋は使われないため、日常生活ではなかなか出番がないのです。
したがって、意識的にトレーニングし鍛えていくことが大切なのです。
逆にいえば、普段はあまり使われていないからこそ、上手にトレーニングすれば大きな成果が得られるのです。
もちろん、速筋を鍛えるには相応の筋トレ方法が必要。
これを実践すれば、一時的な体重や脂肪の減少ではなく、カッコイイと思われるようなカラダに変化させ、それを効率よく維持していけるようになるのです。
では、体脂肪を落としボディメイクに欠かせない速筋を鍛えるにはどうのようにしたら良いのでしょうか?
まずはスロートレーニングから!
効率よく速筋を鍛えるには、カラダへの負担が少ない「スロートレーニング」がおすすめ。
血液循環が良好になり、血管を発達させる効果もあるので、基礎代謝が上がり体調も良くなります。
これにより、日常生活での活動量にも変化が現れます。
歩く速度が無意識のうちに速くなったり、階段も駆け上がれるなる。振る舞いもキビキビすることで、エネルギー消費量がさらに増える好循環も生まれるのです。
普段あまり運動しない人は、筋肉があっても使われない「眠っている」ことが多い。当然ながら基礎代謝も低い状態です。
ところが、「スロートレーニング」で速筋を鍛えることで、いままで眠っていた筋肉を目覚めさせることにより、血液を心臓に送り出すポンプ作用も強まり、血液の循環がよくなって代謝も上がるのです。
ふだんあまり運動していない人ほど、少し鍛えれば力は強くなるといえます。
ひとたび筋肉を目覚めさせると、脂肪は嫌でもメラメラと燃え始める。速筋をつけるほど、カラダは痩せやすく生まれかわるのです。
これが筋肉の大きい人が太りにくい理由なのです。
スロートレーニングのポイント
筋肉を大きくするには、筋肉に肥大の必要性を感じさせる「刺激」が必要。
これは「物理的ストレス」「化学的ストレス」の2つに大別されます。
簡単にいうと、パンプアップにように筋肉内の科学的環境を大きく変化させるのが「化学的ストレス」。そして、運動した翌日の筋肉痛のように強い負荷で筋肉に微細な損傷が生じ、炎症がすすむのが「物理的ストレス」です。
そして、
スロートレーニングは科学的ストレスを筋肉に与える方法
です。
スロートレーニングのポイントは、ゆっくりと動作し筋肉を緊張させ続けることで、全身に酸素の運ぶ血流を制限すること。
これによって筋肉への酸素の供給が不足し、無酸素で動く「速筋」が運動に使われ、激しい運動をしたときと同様に、筋肉に代謝物である乳酸をためることができる。
すると筋肉は、たまった乳酸の濃度を下げるために、周囲の水分を吸収してパンパンに張ってくるパンプアップという状態になるのです。
これは日常生活では起こらない科学的に苛酷な状態なので、筋肉を肥大させる有効な化学的ストレス。
通常、この現象は激しい筋トレで起こるのですが、これを比較的軽い負荷で手軽に達成できるのがスロートレーニングの最大のメリットなのです。
まとめ
スロートレーニングなら、ある程度、軽い負荷でも効果を実感できるので、バーベルをそろえたりジムに通ったりする必要もなく、自宅でも簡単にできます。
当然、重い負荷を扱う筋トレよりずっと安全で、筋肉や腱を痛める危険性も圧倒的に低い。
カラダをあまり動かしていなかったことに心当たりのある人は、まずは、スロートレーニングから始めてみてはどうでしょうか?
速筋と遅筋の違いに関しては以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。