細マッチョとゴリマッチョ、どちらを目指すかで鍛え方は変わるのか?

細マッチョとゴリマッチョ、どちらのカラダになりたいかと聞かれれば、大抵の男性は細マッチョと答えるのではないでしょうか?
確かに見た目がかっこいいのは細マッチョですし、女性からの指示が高いのも細マッチョです。それに比べてゴリマッチョは一見”ただのデブ”と間違われかねません。
しかし、実際に強い力が出せるのはゴリマッチョの方と言われています。
例えば、100kgのベンチを上げようという目標を持っている人は、細マッチョよりゴリマッチョを目指した方が早く目標を達成できる可能性が高いのです。
細マッチョとゴリマッチョ、それぞれの筋肉のつき方や鍛え方の違いから科学的最新トレーニングを探ってみましょう。
Contents
細マッチョとゴリマッチョの筋肉のつき方の違い
筋肉のつき方だけにフォーカスした場合、実は細マッチョとゴリマッチョではほとんど変わらないのです。
基本的には筋肉の量と脂肪の量のバランスが異なるだけと考えた方が良いでしょう。
筋肉の本数や質は人によって異なり、筋肉がつきやすい、つきにくいといった遺伝的要因は確かにあります。
しかし、やるべきことは同じで、筋肉のつき方そのものに大きな違いは無いというわけです。
つまり、どんな体質の人でも細マッチョあるいはゴリマッチョを目指すことは可能なのです。
細マッチョになるためには食事コントロールをしながらトレーニングをし、ゴリマッチョを目指すなら、ガツガツ食べてトレーニングをしていけば良いのです。
なお、食べ過ぎたりすると脂肪がつきやすい、栄養吸収の良い人は筋肉がつきやすいといった、もともと太りやすい体質の人は筋肉がつきやすい傾向にあると言えるでしょう。
この場合、筋肉のついたカラダはゴリマッチョな体つきになります。ちょうど一昔前のプロレスラーのような体つきです。
一昔前のプロレスラーのカラダは、一見すると太って見えたり、ただデカいだけという印象があります。
これは筋肉のうえに、殴られた時の衝撃を減らすためにわざと脂肪を付けているからで、脂肪の下には物凄い強靭な筋肉が隠れているわけです。
プロレスラーが筋肉を減らさずに脂肪だけを減らすダイエットをすれば、ボディビルダー顔負けの体つきになることが可能なのです。
理想のカラダを目指すための数値目標
理想のカラダを目指すために、指針となる数値目標をもつことも大切です。まずは以下の数値をひとつの指針としてみて下さい。
- 身長-105kg=体重で体脂肪13%
この数値を達成できれば、固く割れた腹筋を手に入れることができるはずです。
それに加えて、肩、背中、腹筋をバランスよく鍛えていくのです。
【細マッチョを目指す人】
- 身長-110kg=体重で体脂肪10%以下
【ゴリマッチョを目指す人】
- 身長-(95~100)kg=体重で体脂肪17~8%
例えば、多くのボディビルダーは、最初はゴリマッチョを目指してトレーニングをします。
ある程度の脂肪があった方が圧倒的に負荷の高いトレーニングが可能で、筋肉そのものを大きくすることができるからです。
その後、数か月かけて筋肉だけを残して脂肪だけを減らしていくダイエットをするのです。こうすることでキレッキレッのカラダになるのです。
ただし、ボディビルダーのトレーニングは身体に対してかなり過酷なもので、安全のための専門的な知識も必要です。
ボディビルダーを目指す人は専門のトレーナーのもとで実施することを強くおすすめします。
細マッチョとゴリマッチョの鍛え方の違い
細マッチョを目指す人はMaxの60%の重さで15~20回やるなど、負荷を軽くして回数を多くこなすようにします。
また、ゴリマッチョを目指す人はMaxの80%の重さで8~10回やるなど、10回でキツく感じるくらいの負荷をかける。
これが一般的に言われている細マッチョとゴリマッチョのトレーニング方法の違いです。
また、細マッチョ=遅筋が多い人、ゴリマッチョ=速筋が多い人、と置き換えることができます。
速筋と遅筋は筋繊維のことで、人間が力を発揮するのに最適な筋肉。
- 遅筋・・・一定の力を長く発揮するのに最適な筋肉。速筋ほど大きな力はない。またいくら鍛えても大きくならない。
- 速筋・・・瞬発的に大きな力を発揮することのできる筋肉。持久力は短い。鍛えて大きくすることができる。
速筋の割合が多い人が筋肉がつきやすとされていますが、速筋100%あるいは遅筋100%という割合の筋肉はないので、それぞれが適した割合で混ざりあっていると考えて下さい。
以下の写真を見て下さい。
左がマラソンランナー(長距離)、右がスプリンター(短距離)です。筋肉のつき方の違いが一目で解りますね。
マラソンランナーとスプリンターでは遅筋と速筋の割合が全く異なるのです。
ゆっくり動かす時と、早く動かす時の違いとは?
筋肉をゆっくり動かすのと、早く動かすのでは、筋肉への負荷が変わってきます。
少し専門的な話になりますが、筋肉を早く動かすとメカニカルストレスという作用が筋肉に起こり、これによって筋肉痛がになって速筋が鍛えられます。
また、ゆっくり動かすとケミカルストレスという作用が筋肉に起こり、筋肉痛にはなりづらいが、筋肥大に必要なホルモンの分泌が促されパンプアップされるのです。
トレーニングの順序としては、メカニカルストレスをかけてからケミカルストレスをかけて鍛えるのがベストと言われています。
つまり、細マッチョの鍛え方としては、Maxの60%の負荷をショートレンジ(短い稼働域)で早く動かしてから、仕上げにゆっくりとした負荷をかけていく方法が考えられます。
ゴリマッチョならストリクト(反動を使わない)を意識して、Maxの80%の重さをフルレンジ(全稼働域)でゆっくりと動かす方法が良いと考えられます。
こうした科学的な筋肉のメカニズムを知っておくことも、筋トレの効果を最大限に引き出すことを覚えておきましょう。
まとめ
細マッチョにしろゴリマッチョにしろ、筋トレを続けていると精神鍛練的な部分が大きいのではないかと考えがちになってしまうと思います。
しかし、筋トレはカラダへの変化や達成感を楽しむのが目的です。
筋トレは目的達成の方法であって、目的そのものでないことを思い出しましょう。