もしかして男性不妊症!?不妊の原因の約半数は男性側にあった!

夫婦の10組に1組は不妊の悩みを抱えていると言われています。
不妊の原因は、とかく女性側にあると思われがちですが、実は約半数は男性側に原因があるのです。しかし、男性不妊症の認知度は低く、女性がひとりで悩みを抱え込んでいるケースが少なくありません。
男性不妊症の実態についてまとめてみましたので、ぜひ参考にして下さい。
男性不妊症チェック
自分がもしかして「男性不妊症」なのか?とそんな不安を感じている男性も少なくありません。気になっているけれど、誰にも聞けない、まさか自分が?という気持ちから一歩前に踏み出すことの出来ない人が多いようです。
女性にも同じことがいえますが、男性の不妊症は自覚症状や外見からだけでは判断がつきません。男性不妊の可能性があるポイントが以下の通りです。
- 射精するときの精液の量が少ない
- 精液の粘りがつよい・においがわかりづらい
- 性欲がほとんどわかない
- 十分に勃起しない・持続できない
- 体毛が極端に薄い
- 左右の睾丸の大きさが極端に違う・極端に小さい
- 小さいときに高熱を伴う病気になったことがある
- 脱腸の手術をしたことがある
- 性病にかかったことがある
などです。
上記の項目に当てはまった人は男性不妊症の可能性が高くなります。
心当たりのある人は、一人で不安を抱え込まないで検査を受けにいくことをオススメします。
男性不妊症の原因
現在、男性不妊症の原因は特定されていません。
ただし要因として考えられているのが、タバコ、アルコールの飲み過ぎ、過度のストレス、過去の高熱を伴う病気、環境ホルモンの影響、高齢…などです。
ようするに生活習慣の変化が大きな要因となるわけです。実際に日本人男性の過去30年間のデータを見ると、約10%の精子減少が確認されているいるそうです。とくに1990年以降、強い減少傾向があるのだとか。
例えばタバコですが、これは男性不妊症の原因だけでなく、さまざまな病気の原因になるといわれています。とくに男性の生殖機能にはとても悪影響を及ぼすとも考えられているんです。
様々な大学の研究によるとタバコは精子の数を減らす、精子の受精機能の低下、体外受精における妊娠率が低くなる、精子のDNA損傷、EDのリスクが40%も高まるといったこと示されています。
ただし、タバコが男性不妊の原因であると断定は出来ないところでもあります。実際、タバコをすっていても赤ちゃんが出来ている夫婦もいるのですから。ですが、全く関係ないとは言い切れず、男性の造精機能を低下させるの恐れがあるのは確かなんです。
男性不妊症の検査
男性不妊症を疑う人は検査に行くべきです!検査を受けるなら泌尿器科と考える人も多いと思いますが、産婦人科でも受けることが出来ます。ただし、男性が一人で産婦人科に行くのはちょっと抵抗あると思いますので、夫婦で一緒に行って、お互いが不妊検査を受けてみるのが良いでしょう。
男性不妊症の検査は女性の不妊検査に比べて、とても簡単で痛みを伴う検査はほとんどありません。原因も女性よりも比較的に特定しやすいことが多いようです。
男性不妊症の検査内容ですが、まずはいくつかの問診があります。既往歴や性欲の有無、そのほか勃起状態や性交回数など。問診が終わったあとは男性性器の診察および触診にはいります。
これは精索静脈瘤などの有無を調べるたもので、基本検査の種類は9つほどあります。精子の運動率や生存率の確認やホルモン検査などで、ここまでが基本検査になります。
ここで問題があると判断された場合はその原因を特定するためにいくつかの精密検査が行われます。精密検査では精巣の組織を採取して機能を調べたり、遺伝子、染色体、そして精子の尾部を観察して異常がないかどうかなどを調べることになります。
男性不妊症の治療
炎症や感染症などが男性不妊の原因の場合は、治療は薬剤治療を行いますが、現実は男性不妊の原因の約90%が造精機能障害だといわれているのです。
その原因も不明のものがほとんどで、今のところは治癒可能な男性不妊治に対する効果的な薬がないのが現状なんです。
造精機能障害の種類では、精子の数、運動率、奇形率によって、精子の減少症、乏精子症、精子の運動率が悪い精子無力症 、奇形の精子が多い奇形精子症、また精液の中に精子が一匹もいない状態である無精子症とありますが、なかには2種類の症状を併発していることもあるそうです。
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また、男性ホルモンの欠乏が認められるときもあります。男性ホルモンの欠乏となるとホルモン剤での治療になりますが、長い期間ホルモン剤での治療をすると逆に造精機能を悪化させることもあるので、注意が必要です。
女性の不妊治療でもホルモン剤での治療することがありますが、やはり同様に長期使用は副作用的なものがでることがあるそうです。
男性不妊症に効く漢方薬
男性不妊症の治療に漢方薬を勧める医師も多いようです。男性不妊の治療法が確立されていないから、漢方薬が見直されいるということでしょう。
男性不妊症の多くは造精機能障害といわれる腎の動きが衰え体内を温める機能が低下するため、精子の数や運動率、勃起障害などの症状をだす腎陽虚(じんようきょ)、同じく腎の動きの衰えのせいで体内をクールダウンさせる機能が低下し、直進性の低下なのどの症状をだす腎陰虚(じんいんきょ)、生命エネルギーである気と血が不足状態に陥り性欲減退の症状をだす気血両虚(きけつりょうきょ)、血のめぐりが悪い状態になるお血(おけつ)と推測されるのです。
そして、こうした症状に対する明確な治療法がないのです。そこで、冷えや疲労、ストレスからくる体調不良、体質の変化による造精機能障害のを回復などに漢方薬が使われているのです。
男性不妊症の治療には主に5つくらいの漢方薬が処方されます。補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 、参馬補腎丸(さんばほじんがん) 、八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味地黄丸(ろくみじおうがん) 、人参湯(にんじんとう) です。
これらの漢方薬には、精子の運動率をあげたり数を増やしたりという効果があるようです。
まとめ
健全な夫婦生活があるにも関わらず、子宝に恵まれないという時は不妊症を疑うべきです。
ただし、不妊症の原因の半分は男性側にあるというとこと忘れてはいけません。まずは、夫婦で揃って不妊検査を受けてみることが不妊改善の第一歩になるでしょう。